近年ではITの発展に伴い、オンラインを利用したマーケティングが主流となりつつあります。

オンラインなら家に居ても買い物ができるため、ITが発展した現在において需要が高まっています。

しかし、オンラインの全てが良いこととは限りません。

無論、オフラインにもいえることです。

そうした中、オンラインとオフラインのデメリットをなるべく解消できるように、ある手法が注目を浴びています。

その名も「OMO」。

OMOとは、一体どういったものなのでしょうか?

そこで今回は、OMOの意味を始め、O2Oやオムニチャネルとの違い、OMOの事例をまとめました。

OMOとは?その意味を解説

OMOとは「Online Merges with Offline」の略で、日本語では「オンラインとオフライン」の融合を意味します。

オンラインとオフラインを融合させることで、顧客により良いサービスを提供し、購買率を向上させる手法です。

例えば、オンラインを通じて顧客のデータを獲得し、その情報を元にオフラインでユーザー体験を実現出来る手法です。※詳しい事例は、後ほど解説いたします。

飲食店の場合、オンラインで事前の注文を承り、顧客がお店に来店された際には、注文された品をすぐに提供するというイメージです。

そうすることで、客が待つことなく、スムーズに商品を提供することが可能になります。

OMOという手法を提唱したのは、元GoogleチャイナのCEO「李開復」氏です。2017年の9月から使われるようになりました。

似ているけど違う?O2Oやオムニチャネルとの違い

OMOに似た手法で、O2Oやオムニチャネルといったものがあります。

こちらでは、これらの違いを解説いたします。

O2O

O2Oとは「Online to Offline」の略です。

こちらは、オンラインで情報を提供し、オフラインでの購買意欲を高めるやり方、またはオフラインで消費活動を行ってもらう手法です。

例えば、オンライン(Web広告やカタログなど)でクーポンを発行したり割引情報を提供したりして、顧客を実店舗に呼び込むということです。

OMOとの違い

OMOとの違いは、オンラインとの連動があるかないかです。

先ほども解説した通り、OMOはオンラインとオフラインの両方を常に共有し合い、顧客にサービスを提供します。

これに対し、O2Oはオンラインとオフラインで区切っています。

例えば、「情報提供はオンラインのみ・購入はオフラインのみ」、と分けられるものだと思ってください。

オムニチャネル

オムニチャネルとは、ウェブサイトやSNS、カタログなど、様々なメディアで経路を作ることで、顧客が商品を購入しやすくなるための手法です。

例えば、服が欲しくてお店に足を運んだけど、商品が売り切れているというケースも珍しくはありません。

この場合、諦めるか取り寄せるかなどを行い、後日改めて足を運んでの購入となります。

ただ、これだと顧客に手間を取らせてしまいます。

そうしたとき、活躍するのがオムニチャネルです。

オムニチャネルの場合、店舗側がその場でネットショップ(店舗用)などにアクセスし、商品の在庫を確認します。

在庫があった場合、その場で顧客に決済を済ませてもらい、後日顧客の家に発送します。

こうすることで、顧客は再度お店に足を運ぶ必要はありません。

また、在庫切れによる機会損失を防ぐことにも繋がります。

あらゆる経路が繋がっていることで、顧客はどの販路からでもスムーズに買い物できます。

OMOとの違い

OMOとの違いはO2Oと同様に、オンラインとの連動があるかないかです。

OMOと少し似てはいますが、オムニチャネルは販路を増やすことに特化した手法であって、顧客が買い物をしやすくするのが目的です。

一方、OMOの場合はオンラインとオフラインの併用を用いて、ユーザーにより良い顧客体験を提供する手法となります。

そのため、似ているようで全く異なるサービスです。

OMOの事例

ここまでの説明だけだと、OMOについて分からないでしょう。

そこで次は、OMOの事例をいくつか紹介しながら解説いたします。

中国のスーパーマーケット「盒馬鮮生(フーマー)」

盒馬鮮生(フーマー)は、中国のアリババ社が運営するスーパーマーケットです。

盒馬鮮生では、実店舗の中でオンラインを活用したサービスを取り入れています。

店内には、商品ごとにQRコードが表示されており、顧客は欲しい商品をスキャンしていきます。※店舗専用のアプリを入れる必要あり。

そして、最後にスマホのQRコードで代金を支払うという仕組みです。

また、スキャンの際、宅配やその場での調理を選ぶこともできます。

例えば、魚売り場の場合、水槽の中の生きた魚介類を購入後、すぐに調理してもらえることも可能です。

宅配サービスに関しては、スーパーから自宅まで3km圏内なら30分で配送が完了します。

実店舗のアプリの利用で色々なサービスに繋げられることから、まさにオンラインとオフラインの融合といっても過言ではありません。

中国のスポーツ用品店「INTERSPORT」

INTERSPORTは、盒馬鮮生と同じくアリババ社が運営するスポーツ用品店です。

INTERSPORTでは、店舗の中に置いてあるモニター(スクリーン)の前に立つことで顔がスキャンされ、モニター上で色々な服を試着できます。

まるで、ドラえもんに登場する着せ替えカメラのようです。

試着といえば、通常その度に着替えなければなりません。

時間や手間がかかって、中にはめんどうに思う人もいるでしょう。

特に近年は、新型コロナウイルスの流行もあり、なるべく接触は避けたいところです。

しかし、モニター上で試着ができれば、余計な手間や試着時の混雑、感染症のリスクを避けられます。

レジのない店「Amazon GO」

Amazon GOは、Amazon.comがアメリカのシアトルに開いた食料品店です。

Amazon GOでは、無人レジを採用することで、会計をスムーズに終えられます。

通常お店で商品を買う場合、「レジに並ぶ→店員に商品を渡す→お金を支払う→商品を受け取る」の手順で行われます。

しかし、Amazon GOは商品を手にした後、出入り口のゲートを通るだけで会計作業が行われるのです。

つまり、レジでの会計作業は一切行われないことを意味します。

このやり方は「ウォークスルー型」とも呼ばれ、事前にAmazon GOのアプリをインストールすることで利用できます。

日本でも、お店によってはセルフレジを設けていますが、店員がやるかやらないかの違いなので、結局手間がかかります。

その点、Amazon GOは本当の意味での無人レジといえるでしょう。

まとめ

今回は、OMOとは何かをまとめました。

OMOの事例では、中国やアメリカを用いて解説しましたが、これらの国はキャッシュレスの普及率が高いこともあり実現しています。

日本はキャッシュレスの普及率が低いことに伴い、OMOもあまり普及していません。

しかし、いい意味で捉えれば、OMOを実施しているライバル企業が少ないことも意味します。

つまり、やるなら今が狙い時です。

それに日本のキャッシュレスも、今はまだ普及率が低いですが、年々増加傾向にあります。

将来的には、日本でのOMOの価値も高まってくるでしょう。

そのため、今回の内容をご覧になってOMOに興味を抱かれたようでしたら、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

OMOの具体的な戦略につきましては、別の記事で解説いたします。

OMOについてもっと知りたい方は、ご覧になってみてください!