クレジットカードや電子マネーの支払いや政府が展開した「キャッシュレス推進宣言」などを機に、キャッシュレスが普及しつつあります。

そうした中、新たにキャッシュレスの導入を検討している小売業の経営者様も多いのではないでしょうか。

しかし、キャッシュレスを導入する上で、以下の疑問が浮かぶでしょう。

  • キャッシュレスの意味がよく分からない
  • キャッシュレスの導入には、どういったメリットがあるのか?
  • 自社で本当に導入してもいいか?

そこで本記事では、小売業の視線でキャッシュレスのメリットと課題をまとめました。

小売業界で需要上昇中?キャッシュレスとは?

キャッシュレスとは、紙幣や通貨などの現金を使用せずに決済を行うことです。

代表例として、クレジットカードやデビットカード、電子マネーが挙げられます。

決済方法は「即時決済・前払い・後払い」と3つのパターンがあり、ご自身の好みに合わせた支払い方法を選択できます。

詳しくは下記の記事にまとめていますので、一度ご覧になってみてください。

初心者でも分かる!キャッシュレスの仕組み・種類をわかりやすく解説

小売業がキャッシュレスを導入するメリット

小売業がキャッシュレスを導入することで、どのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?

本記事では、5つのメリットをまとめました。

会計作業の効率化

キャッシュレスでは、現金時に比べて会計作業が一気に効率化されます。

現金での支払いとは異なり、機械にカードを通したり端末にかざしたりするだけで、会計が完了します。

レジが混雑しているときを想像すると、非常に利便性は高いです。

一方、現金での支払いは、消費者と店側の双方に手間が発生します。

消費者はお金を財布から取り出す手間、店側はお金を受け取ってからの確認とレジ入力でバタバタするでしょう。

そのため、釣り銭の間違いやレジ精算時の差異など、金銭トラブルが起きがちです。

しかし、キャッシュレスは機械上で精算が行われるので、金銭トラブルが起きることは早々にありません。

スピーディーかつ確実に決済を行えるのは、大きな強みではないでしょうか。

現金管理業務の効率化

現金が多いほど、現金管理にも労力を使います。

しかし、キャッシュレスなら、お金の管理をデータ上で行えるので、作業効率が一気に上がります。

人が作業すると何かしらミスが生じることがありますが、機械なら故障が起きない限りミスは起きません。

会計時と同様に、スピーディーかつミスを減らしながら作業ができます。

新規顧客の獲得に繋がる

キャッシュレスを導入することで支払い方法の幅が広まり、キャッシュレスユーザーが足を運ぶきっかけになります。

これにより、店の売上アップに期待できるでしょう。

外国人旅行客の利用率がアップ

キャッシュレスの導入は、外国人旅行客の来店率を上げられます。

なぜなら、外国人は日本の現金に慣れていないことや換金で手間がかかることから、キャッシュレスを望む傾向にあるからです。

そのため、キャッシュレスを導入しておくことで、外国人旅行客の利用率アップが見込めます。

現在は新型コロナウイルスの影響もあって、外国人旅行客は激減しています。

しかし、コロナの収束を願って、インバウンド消費の対策にも力を入れておきましょう。

感染症対策になる

キャッシュレスは、感染症対策にも効果的です。

現金の受け渡しによる人と人との接触が起きなくなるため、感染のリスクを抑えられます。

昨今では、新型コロナウイルスが世界中を混乱に陥れましたが、コロナに限った話ではありません。

今後また未知のウイルスが出現することを考えたら、キャッシュレスを導入して損はないかもしれません。

簡単ではない?キャッシュレスを導入するときの課題

キャッシュレスの導入はメリットが多い一方、課題もあります。

本記事では、3つの課題をまとめました。

導入のコストがかかる

キャッシュレス決済を導入するには、専用の端末を用意しなければなりません。

ところが、専用の端末を導入する際に費用が発生します。

端末の値段は業者ごとに異なりますが、1台につき2~5万円程度はかかるでしょう。

レジの多い店舗だと台数分用意する必要があるため、初期費用が重なります。

決済手数料が発生する

キャッシュレス決済は、初期費用以外にも決済手数料が発生します。

クレジットカードでも電子マネーにも言えますが、必ず元となる会社があります。

例えば、クレジットカードで1,000円の支払いがあった場合、その内の数%をカード会社あるいは決済代行業者に支払うというイメージです。

無料では使い続けられないのが痛手でしょうか。

入金までに時間がかかる

キャッシュレス決済は、決済が行われてから店舗に入金されるまで一定の時間を要します。

入金までの時間は、単純に1ヶ月近く待たされたり毎月決まった日付に反映されたりと、決算事業者で異なります。

そのため、売上の変動が大きい店だと、手元の資金が不足して悩まされます。

キャッシュレスを導入する際は、決済から入金までのサイクルがあることも頭に入れておきましょう。

まとめ

キャッシュレスは利便性が高い分、課題もあります。

導入することが必ずしも正解となるわけではありません。

そのため、キャッシュレスを導入する際は店舗の規模や顧客の属性を見直し、じっくりと検討しましょう。