前回の記事で「応援消費」について概観し、その中でエシカル消費についても触れました。
今回は最近よく聞くエシカル消費についてご紹介します。
エシカル消費消費という価値観
2015年、SDGsの取り組みが国連で採択され、作る責任・使う責任がいっそう問われるようになりました。
エシカル消費とは?
では、エシカル消費とはどう定義されているのでしょうか。
エシカル消費とは
「自分にも、環境にも、社会にも、より良い消費を選択する」
という意味で、具体的には以下項目がよく取り上げられます。
- 人 ・・・ 障がい者支援につながる商品
- 社会 ・・・ フェアトレード商品、寄付付きの商品
- 環境 ・・・ エコ商品、リサイクル製品、資源保護等に関する認証がある商品
- 地域 ・・・ 地産地消、被災地産品
- 動物福祉、エシカルファッション
参照:消費者庁「〜あなたの消費が世界の未来を変える〜」
ちなみに応援消費との違いはこちらをご覧ください。
自分の消費行動が倫理的に正しいのか?と問い
生産者の想いやブランドのストーリー、に共感して決済を行う事がエシカル消費といえます。
「こっちブランドはCO2排出量○%削減に貢献している」
「このカフェはフェアトレードで仕入れたコーヒー豆を使用している」
これらに惹かれて消費行動をすることです。
エシカル消費の具体例
Patagonia-エシカル消費の事例①
リジェネラティブ・オーガニック農業を活用したコットンと食材の調達によって炭素を土に戻すことで、気候変動の緩和に貢献していくと発表。
これまでパタゴニアは気候変動を解決するために、二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギーへの転換をおこなっており、2025年までにウールやオーガニックコットンなどの再生可能天然素材もしくはリサイクル素材のみで製品を製造することで二酸化炭素の排出を抑え、カーボンニュートラル(実質排出ゼロ)のビジネスの実現を宣言している。
社会的公平性という点では、ソル・シンプレの農家の3分の1が女性だ。積極的にシングルマザーを雇用し、彼女たちの子供の学費を捻出できるような仕組みを整えるなど、社会改革にも力を入れている。
Tree Card-エシカル消費の事例②
「TreeCard」は、FSCに認証された桜の木を素材とした木製のデビットカードとなり、1本の木から300,000枚以上のカードを制作できるという。
FSC認証とは?・・・FSC認証は環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組みです。
森林再生プロジェクトへの支援の仕組みはとても簡単。
TreeCardを日々の支払いに使用するだけで、自動的にカード会社の利益の80%が支援となる。
Ecosiaの森林再生プロジェクトに参加している販売店の取引手数料の中から利益が発生しており、約60ドル(日本円で約6000円)の支出毎に1本の木を植えることに繋がる。
毎日の消費行動で無意識的に環境保全が出来るのは嬉しい事ですよね。
現在100,000万人以上の予約で、カード発行には時間がかかる。
エシカル消費が加速する理由
2017年に消費者庁が行った意識調査では、「エシカルな製品を購入したい」と考える消費者は、全体の6割にものぼっているというデータが出ています。その翌年、2018年に徳島県内の消費者を対象に行った「エシカル消費に関する消費者意識調査」でも、約6割の消費者がエシカル消費を意識していることがわかっています。
(参考:おしえて!アミタさん)
では、なぜエシカル消費が加速するのでしょうか?ここでは理由として考えられる要因を一つ挙げて説明します。
Z世代が消費の主役に
Z世代という言葉を聞いたことはありますか?
Z世代は、現在10代半ば~20代半ばの若者たちの世代。彼らは今、世界で最も影響力のある購買層として、大きな注目を集めています。
ミレニアル世代は、2000年代に登場した検索エンジンやモバイル、インスタントメッセージの台頭を目の当たりにしてきた「デジタルパイオニア」とも言える存在です。一方、Z世代は、生粋のデジタルネイティブ世代です。彼らは、高速インターネット、スマートフォン、ゲーム機器、そしてSNSの存在が当たり前のように存在する世界に生まれ、それらに大きな影響を受けながら育ったのです。その結果、彼らは従来のどの世代とも違う、価値観や特徴をもつ購買層へと成長しました。(Criteo)
Z世代の若者は、ある程度社会の発展が進んだ段階で生まれたので、多くの社会課題にも直面しながら育ちました。
9.11貿易センタービル事件、3.11東日本大震災など世界中で大きな天災が置き、彼らの目は常にこれら問題見つめています。
CSRやSDGsという言葉は義務教育課程の中でも学び、自分にとって良いかのみならず社会にとって良いことなのか、という倫理的な支店で物事を判断する価値観が増えているということです。
1996年以降生まれたZ世代初期の人は、2020年現在24歳です。
今後、倫理的に正しいかどうかので判断して行動する消費者が増えて行くことは間違いないので、Z世代にの価値観を企業がキャッチアップしてプロダクトやサービスに反映できるかがポイント人理想です。
エシカル消費と応援消費は非常に密接な関係にあるので、こちらの記事もお読みください。
今回も読んでいただきありがとうございます。
消費者価値観の変化を追うシリーズ、何本か書く予定ですのでお楽しみに!