近頃、共感消費という言葉を頻繁に聞くようになりました。

これは、ブランドなどにこだわらず「自分が共感した商品を買う」ということです。

なぜこのような消費行動が変化したのでしょうか。

 

それは物質的に豊かな生活者が増えたことに加えて、新たな消費者層が登場したからだと言えます。

 

こちらの記事では、これまでの消費から共感消費に変化した要因を解説していきます。

 

共感消費とは?

「共感したから買いたい!」という気持ちから生まれる消費全般のことを「共感消費」と呼びます。

出典:ジャパネット銀行

2020年2月にジャパンネット銀行が発表した調査結果によると、約60%の人が「共感できるモノにお金を使いたい」と回答しています。

過去を振り返ると戦後、日本は急速な経済成長を遂げました。この期間は、物質的に満たされていなかった時代でもあります。生活していくために必要な三種の神器や自家用車、住宅など所有のための消費が中心でした。

しかし、現在では物質的に満たされるようになりました。このことから消費者は物を買うだけでは満たされなくなったと考えられます。

 

共感消費と応援消費の違い

「共感消費」と似た言葉で「応援消費」があります。これは、東日本大震災をきっかけに使われるようになった言葉です。

被害を受けた県の名産品を積極的に購入することにより、経済的支援や、風評被害を払拭するチャリティーイベントを開催されました。

 

「生活者の応援をしたい!」そのような気持ちから生まれる、消費全般のことを「応援消費」と呼ぶようになりました。

 

最近の「応援消費」は、新型コロナウイルスの感染拡大により飲食や観光業界などの事業者に対して消費によって応援しようという流れのことを指します。

 

「応援消費」について詳しい詳細は、こちらの記事をご覧ください。

応援消費の本質とは?消費価値観の変化を追う

応援消費の中に共感消費があると考えられます。

「応援消費」は販売側にとって負の要素(地震・災害など)や特定の誰かを消費で応援したい時に言われる言葉です。「共感消費」は消費で応援する際に、販売側の商品へのストーリーや、想いなどに共感して購入したいと思う消費行動です。

 

消費に対する意識の変化

これまで日本の消費は「機能的消費」と「記号的消費」が主な消費形態でした。しかし近年ではこの2つの消費に加えて、「共感的消費」が加わりました。それぞれどのような特徴があるのでしょうか?

ひとつずつ、解説していきます。

「機能的消費」

機能的消費とは機能を買うことです。例えば通勤のための移動手段として自動車の購入を検討しているとします。自宅から職場まで移動するために必要なのは、高級車でも軽自動車でも良いのです。

移動する手段として、適当な車を買うというのが「機能的消費」といいます。

「記号的消費」

記号的消費とは、自身のベンチマークとして「レクサス」や「ベンツ」を買うということです。高級車ブランドを所有することで、所有欲を満たすことをいいます。

「共感的消費」

「共感的消費」とは商品に込められた「想い」などに共感して消費することです。

親しい友人や、応援したいアイドルなどが「この商品いいよ」と言われたらそれに共感し、「ちょっと買ってみようかな」となるのが「共感的消費」といいます。

 

「記号的消費」から「共感的消費」へ

これまでは、ブランド品を買ったりいい車に乗ったりすることによって「社会的にこういう人だと見られたい!」などのステータスを求めた消費が一般的でした。

 

しかし、近年では商品そのものに込められた「想い」や「ストーリー」に共感して消費する「共感的消費」へと変化してきました。

 

新たな消費者層の登場

1,エスカル消費への関心が高い層

出典:daiwahouse.com

 

倫理的で正しいと思えるものにお金を使う「エシカル消費」への関心が高まっていることも、共感的消費を後押ししていると考えられます。

 

消費によって自分の欲を満たすだけではなく「社会にとって倫理的に正しいか」また「誰かの役に立っているか」が重要になります。

エスカル消費の詳しい内容についてはこちらをご覧ください。

エシカル消費とは?消費者価値観の変化を追う

 

2,Z世代が消費世代に

 

社会課題への意識が強いとされるZ世代(1996~2012)が消費世代に加わりはじめました。米国の人口の4分の1を占めるほど大きな人口グル―プであり、彼らは世界で最も影響力ある購買層になろうとしてしています。

 

そんな価値観をもつ消費者には、ただモノを並べて売るのではなく、「この商品によって解決されること」を伝えることがポイントになると考えられています。

 

まとめ

ここまで、過去の消費行動から「共感消費」への変化を説明してきました。

・物質的に豊かな生活者が増えたこと

・エシカル消費への関心

・Z世代の登場

この3つの要因が共感消費の追い風となっていることがわかりました。

 

今後「共感」が作り出せる商品かどうかで、売り上げが変わってくると考えられます。自社の商品やサービスが「共感」を作り出すことができているか確認していただき、新たな消費者層に対応した販売を考えていただければと思います。