サブスクリプション型のサービスが増えている中で、カスタマーサクセスと呼ばれる手法が注目を浴びています。
カスタマーサクセスと聞くと、カスタマーサポートを想像する人もいるかもしれませんが、2つの意味は異なります。
では、カスタマーサクセスとは何なのでしょうか?
今回はカスタマーサクセスの概要を始め、具体的な流れやカスタマーサポートとの違いをまとめました。
カスタマーサクセスとは何か?
カスタマーサクセスとは、日本語に直訳したら「顧客の成功」という意味があります。
しかし、マーケティングにおいては「顧客を成功に導く」という意味合いのほうが強いです。
カスタマーサクセスは、サブスクリプション型のサービスを中心に、LTVの最大化を目的とします。
さらに、顧客がサービスを通して成功できるように、企業は能動的にサポートを行います。
ユーザーがサービスに対して疑問や不満を抱く前に「あなたには、この機能がおすすめです」、「サービスに不満点はないか?」など、企業側が先にアクションを行います。
要はサービスを提供する上でユーザーの行動を解析し、改善やアップデートを行うものだと思っていただければ正解です。
サブスクリプション型とLTV
サブスクリプション型とLTVを簡潔に解説します。
まずサブスクリプション型とは、「月額〇円で見放題」といった感じに、月額で継続的にサービスを利用できる形態のことです。
例えば、動画サイトだと、HuluやFODが挙げられます。
続いてLTVは、Life Time Valueの略で顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のことです。
もう少し簡単に解説すると、顧客が契約を始めて何かしらの理由で解約するまで投資していただいた総金額を指します。
例えば、ある顧客が月額500円のサービスを10ヶ月間利用した場合、その顧客が企業にもたらしたLTVは5,000円となるわけです。
カスタマーサクセスの流れ
カスタマーサクセスは、実際どのように顧客を成功に導くのでしょうか?
カスタマーサクセスの流れをまとめました。
①導入(オンボーディング)
顧客にサービスを使いやすいと感じてもらうためには、導入段階でサポートが必要です。
導入時に顧客先に訪問して説明を行ったり、複数の利用者を集めて説明会を開催したりします。
サービスの導入というのは、内容によってはつまずいてしまう人も少なくはありません。
そうしたときに企業がサポートをしてあげることで、顧客がスムーズにサービスの利用を開始できます。
②利用開始後のフォロー
導入が完了したら、今度は利用開始後のフォローをします。
「顧客がサービスの利用方法で悩んではいないか?」など、カスタマーサクセスから顧客に直接確認を取ります。
また、コミュニティの運営などを通じて、顧客がサービスの利用法を勉強できる機会を提供することもあります。
③成功体験談(アップセル、クロスセル)
企業がさらなる利益を挙げていくために、肝となるのがアップセルとクロスセルです。
アップセル
アップセルとは、現在使用しているサービスよりも高額なものにグレードアップしてもらったり、オプションを追加してもらったりして顧客単価を上げる手法です。
例えば、携帯電話で3GBプランに加入している顧客がいたとします。
言葉の通り3GBプランなので、毎月3GBまでの容量が限度となります。
そこで、企業は5GBプランを勧め、同意した顧客は5GBプランにアップグレードします。
この流れがアップセルの例です。
クロスセル
クロスセルとは、顧客が既に利用しているサービスと関連のあるサービスや商品を紹介し、新たな購買に繋げる手法です。
例えば、一眼カメラを購入した顧客がいたとします。
最初はカメラのみだけど、カメラを使用していく内に、よりクオリティの高い写真を撮りたいと考えるようになります。
そこで、企業がカメラレンズや手ブレ防止のジンバルを紹介し、顧客はこれらのアイテムを購入します。
この流れがクロスセルの例です。
このように、顧客の成功を通して信頼関係を構築し、最終的に企業の利益も上がるのがカスタマーサクセスの流れとなります。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスに似た言葉で、カスタマーサポートというものがあります。
2つの違いを下記の表にまとめました。
カスタマーサクセス | カスタマーサポート | |
目標・ゴール | 顧客の成功をサポート | 顧客の不満・クレーム解決 |
行動・役割 | 能動的 | 受動的 |
カスタマーサクセスは企業側から積極的にアプローチを行うのに対し、カスタマーサポートは受け身態勢なのが特徴です。
顧客が問い合わせをして、そのときに初めて対応する形となります。
そのため、あくまでも顧客の緊急時に適したやり方と言えるでしょう。
例えば、コールセンターや窓口といえばイメージしやすいのではないでしょうか。
したがって、2つの手法は似て非なるものなのです。
まとめ
サブスクリプション型のサービスが増えている中、企業が大きな利益を出すためには、カスタマーサクセスの考えが大事となってきます。
AdobeやApple musicなど、大手企業による成功事例もあるので、今後さらに広まっていくことが予想されます。
現在カスタマーサクセスを導入していない企業様は、当ページを機に導入を検討いただけたら幸いです。
カスタマーサクセスで顧客を満足させつつ、自社の売上もアップさせていきましょう。