人気のオンライン接客ツールを徹底比較
オンライン接客の市場規模
IT革命以降の技術の発達、また2020年初頭から蔓延しているコロナウィルス感染症の影響もありオンライン接客、Web接客の市場規模は拡大し続けています。
出典:ITRプレスリリース ITRがWeb接客市場規模推移および予測を発表
現在、オンライン接客の市場規模は約68億円。
オンライン接客の元となるWeb接客のサービスが伸び始めたのは2015年頃と言われています。
2015年の実績約7億円に対し翌2016年には約17億円と、その成長率は2倍以上の結果になりました。
オンライン接客が加速する背景
では、なぜオンライン接客がここまでに急成長しているのでしょうか。
その要因は大きく分けて2つあると思います。
1つ目は、実物を見ない購買体験に対するユーザーの不安が減少したことが挙げられます。
ECサイトが出始めた頃は誰もネットで洋服を買おうなんて考えず、実物を見て購入することが当たり前でした。
その状態から消費の価値観が大きく変わった理由の一つに「デジタル・ネイティブ」の存在があると考えています。
※デジタル・ネイティブとは、生まれてから物心がつく頃にはインターネットをはじめとしたIT技術やパソコン、スマートフォンといったIT製品が普及した環境に育った世代のことで、1990年代以降に生まれた世代を指します。
1990年代(特に後半)に生まれ、ネット環境が当たり前の環境で育った彼らはネットを通じて人と出会うことや商品を購入することに抵抗がなく、そんな価値観を持った世代が成長し、スマホを持つことで一気にECサイトでの購買行動が増えました。
今でも若い世代のほうが、年配世代より購入率が高いのは納得の理由かもしれません。年齢が上がるほどリアルで見ないと納得できない傾向が伺えます。
店舗の営業時間や場所などの成約にとらわれず自分のペースで買い物が出来る点も相まって、2015年以降オンライン接客の市場は急速に成長しました。
2つ目は、2020年初頭から世界中で蔓延しているコロナウィルス感染症の影響が挙げられます。
どの業界でも今まで当たり前だった事が、当たり前にできなくなりました。特にアパレルを中心とした小売業界への影響は甚大でした。
対面での接客はできず、また外出ニーズが減少し消費者の購買意欲は激減しました。アパレル業界では昨年対比40%にも及ばない事業者が目立ったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
実店舗での営業ができない事業者はよりオンライン接客に注力し、消費者の購買活動の中心がオンラインへと移り変わって行きました。
オンライン接客の市場が伸びる要因に、コロナウィルス感染症は多大なる影響を及ぼしました。
オンライン接客とは?
オンライン接客とは、店舗で対面接客ではなくWeb上で接客する事を意味します。
ただECサイトで販売するではなく、オンラインで対面接客と同じ様に個対個で接客を行いおもてなしを提供することも含みます。
事業者からすると、新たな顧客接点を創出できたり、流入したユーザーの離脱を防ぐといったメリットもあります。
オンライン接客とは何か?どんな事例があるのか?
オンライン接客の概要についてはこちらで紹介しておりますので是非ご参照下さい。
人気のオンライン接客ツール比較表
オンライン接客ツール5選の詳細比較
1.Dassen boutique(ダッセンブティック)
Dassen boutiqueはリアルとデジタルをシームレスに繋ぐオンライン接客ツールです。
実店舗での利用では商品に付いているタグをスマホでスキャンしお気に入りボードかカートへ追加可能。
販売員とフィジカルな接触をせずにセルフペイメントを実現します。
販売員が画像を投稿できるフィード画面や個対個で繋がれるチャット、プッシュ通知などデジタルでの訴求ニーズにも対応しています。
モバイルアプリの活用により、より丁寧なコミュニケーションを行うことができるので、オールインワンでビジネスを始めたい方におすすめのツールです。
詳細はこちら。
2.KARTE
KARTEはMAツールとして認知されているケースが多いかと思いますが、Web接客用ツールとしての機能もあります。
ユーザーの断片的な情報を顧客体験としてまとめ、ユーザー毎に最適化した訴求が可能です。
気持ち・感情・文脈・今に続く体験。KARTEは来訪者のあらゆるデータとあわせて情報を解釈し、
サイトに訪問中の「いまこの瞬間」の状況をリアルタイムに可視化します。
3.b→dash
b→dashは、「ITやデータリテラシーがなくても“直感的に使いこなせる”を売りにしているツールです。
こちらもBIツール的な認知が多いですが、Web接客としての機能も有しています。
『b→dash CDP(データ統合基盤)』によって、企業が保有する顧客情報、Web・広告データ、購買情報など、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータをb→dashに集約・連携できるようになります。これらのデータをもとに、一人ひとりに最適化されたOne to Oneのコミュニケーションが実現できます。
4.zendesk chat
Zendesk Chat はオンラインチャットツールでは世界No.1のシェア数を誇るサービスです。
既存のECなどにタグ挿入することでチャットデスクを用意することができ、Zendeskの他製品とあわせてご利用いただく事で、サポートプラットフォーム(サポートの土台システム)としてご利用いただけます。チャット、電話、メール、SNS等々様々なチャネルからのお問い合わせ、ご質問も、解決までスムーズに一元管理が可能です。
まずはチャット機能を用意したい事業者の方にはおすすめのツールです。
https://www.zendesk.co.jp/chat/
5.FLIP DESK
FLIP DESKはMAやWebサイトのコンテンツ訴求用としての認識が強いかと思いますが、一部機能はオンライン接客ツールとしても活用できます。
また、ちゃっと機能のみならずメッセージ、バナー、クーポン、チャットなど、ひとりひとりの状況に合わせて最適な接客を行うことができるのも魅力の一つです。
また、導入サポートから施策提案、設定代行など細かなサポートが行き届いている印象です。
オンライン接客ツール検討の際の注意点
販売員の個性や信頼をオンラインで表現できるか
従来の店舗販売では、教育を受け専門知識や接客技術を備えた販売員が店頭での接客に従事していました。
オンライン接客を行う上で最も注意する(気に掛ける)ポイントは、「販売員の個性をいかに表現するか」だと考えています。
「あの店舗のあの販売員さんに聞こう」
「この販売員さんなら信頼相談して出来るな」
このように、顧客とコミュニケーションを取り信頼関係を構築するのはリアルでもオンラインでも普遍の重要ポイントです。
先の事例でご紹介したように沢山の手法やツールがありますが、販売員の個性を十分に表現できる機能は十分備わっているか?を確認する事がオンライン接客を検討する上での注意点1つ目です。
リアルとデジタルシームレスに体験できるか
最後に、実店舗(リアル)とオンラインの関係性についてです。
近年ECへの注力が進んでおり、コロナウィルスの影響でオンライン接客への移行はますます加速しました。
しかし、「店舗での売上をいかに伸ばすか」に注力していた事業者の多くは、ITリテラシーが十分とは言えず、付け焼き刃でオンライン接客に取り組んだ結果、リアルとデジタルがシームレスに繋がっていない例を見かける事があります。
例えば在庫連動や売上処理、消費者の顧客ID連携、ポイント制度など、多くの連携を検討する必要がある一方で、スピード感や開発コストの問題で不十分な状態でリリースをしてしまう例です。
ここで重要になるのが、消費者の体験を起点にサービスを設計することです。
消費者は利便性やデザインでサービスを選びます。システムの裏側は重要ではありません。注意すべきはリアルでもオンラインでも消費者に取って最も便利な接点で閲覧・購買を体験できるかです。家にいる時はスマホで閲覧したいし、外出している時は友達と店舗で楽しく買い物を体験したいのです。
オンラインとリアルでどちらの接点でも同じ様に高品質な消費体験を提供できるか、顧客にとって便利でデザインに優れているかの点もオンライン接客を検討する上での注意ポイントです。